利息を抑えることがカギ
返済総額を最小にするには、利息の支払いを最小に抑えなければなりません。利息とは恐ろしいもので、毎月しっかり払っているつもりなのに元金が減っていかず、利息だけを毎月支払っているといったことも生じ得ます。
そこで、毎月一定額を利息だけではなく元金の返済にも充て、確実に元金を減らしていくことで支払い総額を抑えられます。どうしても返済総額が多くなってしまうという方の場合、利息の計算をあまりできていないケースが見られます。利息をしっかりと計算して、元金返済も視野に入れた返済計画を練ることで、支払う総額を少なくしていきましょう。
まずは金利(年率、実質年利も同義)の計算を覚えなければなりません。金利の計算は次の通りです。
とにかく、最初に借りた金額に1日あたりいくらの金利がかかっているかを調べましょう。例えば、30万円を金利18パーセントで借り入れたとすると、発生する利息は
これが、年間に発生する利息です。1日当たりの金額では
となり、これに1ヶ月(30日)をかけて
となります。30万円を金利18パーセントで借り入れた場合、毎日・毎月の利息だけでこの金額が発生しています。
元金を如何に減らしていくか
加えて、どんな消費者金融やカードローンを利用するとしても、「返済されたお金は利息の支払いから充てられる」というルールがあります。まず元金から減らし、その後利息を計算することはできないのです。これらの金額は、毎月支払わなければならない最低の金額であるため、ここにどれだけ上乗せして元金を減らしていくか、が重要になります。例えば、カードローンは「約定返済」という支払い金額が設定されています。約定返済は、毎月支払わなければならない最低金額のことで、大抵の金融機関では低めに設定されています。毎月の支払い金額を低く設定することで、借り入れの返済が長期化します。
これは債務者側からするとより長期的な利息収入になるため、約定返済は毎月発生する利息をほんの少し上回る程度金額に設定されていることがほとんどです。しかし、これでは元金を減らすことができません。契約時に定められた最低限の返済金額を守るのではなく、返済できる時には1円でも多く返済に充てるのが最善です。30万円を金利18パーセント、かつ1年間で返済した場合の返済総額は330,044円で済みますが、これに3年かかった場合は390,431円、5年かかるとなんと457,034円にもなります。返済期間をできるだけ短くすればするほど、利息が発生する期間も短くなるため総額も少なくなります。
そのためには元金をできるだけ減らしていくことが必須です。元金を減らすためには、一定額に決められた毎月の支払いだけでなく、臨時返済によって任意のタイミングで余分に返済していくことが必要です。繰り上げ返済や随時返済などとも呼ばれる方法で、毎月支払っている返済額とは別に返済金額を支払います。全額を返済する期間も短くなるため、結果として支払う利息も少なくなります。こうすることで元金がより早く減っていき、毎月の返済額が減って行くペースも早くなります。
総額が大きく変わるラインを見つけよう
さらに、毎月の返済額を多くしても、支払総額がそれほど変わらないラインというものが存在します。30万円・金利18パーセントの例で考えてみましょう。
・毎月8,800円ずつ返済 支払い総額は約422,981円
・毎月11,000円ずつ返済 支払い総額は約390,431円
・毎月15,000円ずつ返済 支払い総額は約359,441円
・毎月27,000円ずつ返済 支払い総額は約330,044円
この例で見ると、返済額を15,000円から27,000円と倍に増やしても総額が3万円しか変わらないのに対し、8,800円から11,000円と3,000円増やすだけでも、同じく総額は3万円以上も変わってきます。もちろん、出来るだけ早く全額を返済するのが総額を減らす最善の方法ですが、総額を大きく左右する返済額を計算することで、毎月あと数千円多く払うだけで安く済ませられるラインが見えてきます。