仮審査で行うこと
仮審査では、信用情報の紹介が行われます。まずは、事故情報がないか確認します。延滞や強制解約、債務整理などの記録がないかどうかです。これらの記録は、現在も延滞が続いていない限り5年で削除になりますが、仮審査の時点で何らかの事故記録が見つかると通過できません。次に、申し込み情報の確認です。1ヶ月で3回以上の申し込みがあると、俗に言う“申し込みブラック”として扱われます。
多重申し込みは支払い能力に疑問を抱かせるため、やはり仮審査の時点で落ちてしまいます。続いて、クレジットヒストリーつまりクレジットカードの決済履歴です。おおむね過去24ヶ月にわたって記録されているものが対象になります。ここでチェックされるのは、支払い金額ではなく期日です。クレジットカードがきちんと引き落とし日に支払われているかを調べます。大きい金額を過去にしっかりと支払っていても、少額の引き落としが出来ていないと不利になります。
逆に、少額でも24ヶ月一度も遅れずに支払いできていると、審査はかなり有利になります。そして、借り入れ金額です。現在借り入れやローンがあるか、その支払い状況はどうかを見ます。借り入れの総額もチェックされ、すべての債務の合計が年収の3分の1を超えていれば(総量規制)、その時点で審査落ちになります。これらの情報と、勤務先や勤続年数、年収や家族構成などによってスコアを決めていき、スコアが基準点を超えると審査通過です。そのため、少しでも加点要素になるような経済状態を見せることが重要です。大手銀行や消費者金融では、インターネットでの申込内容が瞬時にスコアリングされるため、審査は数分で終わります。
本審査で行うこと
本審査では、仮審査で分かったことを重複して審査はしません。そこで、本審査では在籍確認から行います。申込書に記入された勤務先に担当者が電話をかけ、勤務先での在籍の有無を確認します。大抵、「○○様はいらっしゃいますか?」とだけ質問し、どこから電話をかけているか、担当は誰かなどを名乗ることはありません。電話を受けた側は何のことか分かりませんが、担当者は本人がいるかどうかを確認すれば終了します。そのため、電話がつながらないといつまでも確認が終わらず、審査の中でも時間を要する作業です。そして、書類の確認を行います。
本人確認書類や収入証明書などを確認し、申込内容と合致するかを審査します。ここで怪しい点や不備があると、仮審査からやり直しとなるか、虚偽の内容などが確認されると審査落ちとなります。
カードローンは仮審査が重要
審査の重要性を考えると、仮審査の方がより影響があります。本審査で落ちるということもありますが、仮審査で落ちれば本審査に進むこともできません。カードローンの審査の場合、仮審査では「最低限信用できる人物か」「返済能力があるか」どうかを調べます。本審査を行うのは、人手を使って申し込み内容の真偽を確認するもので、仮審査で通った内容が真実ならば本審査で落ちることはまずありません。
住宅ローンの場合、審査はより厳密に行われるものの、カードローンと同じく確認作業が主体となります。本審査では、借り手が返済できない場合にどうするかまで審査されるため、カードローンの本審査よりもハードルが上がります。いずれにしても、審査に通るか否かを左右するのは、マイナス要素の少なさです。カードローンの場合、借り入れをすぐに返済するか、少なくとも延滞している支払いを済ませておくことで、審査に通りやすくなります。借り入れがなくクレジットカードの支払い履歴に傷がないのが一番ですが、たとえ延滞の記録があっても申し込み時に支払えるものをすべて支払っておけば、マイナス要素が少なくなります。
住宅ローンの場合、購入した物件の担保評価なども審査されます。