返済に時間がかかると、借金総額も増える

借金がある限り利息が発生するため、返済する期間が長くなると、支払わなければならない利息の総額も当然多くなってしまいます。利息は、お金を借りる際のレンタル料のようなもので、借りているお金がある限り発生し続けてしまうのです。そのため、もともと借りたお金=元金を減らせない返済方法は、 返済額を増やす方法だということになります。

その際たる例は、利息分だけ払うというものです。大抵の金融機関では、利息を含めた毎月の返済額を固定しているため、元金もそれなりのペースで減っていっているはずです。しかし、お金のやりくりが借り入れた当初よりも苦しくなったり、どうしても支払い期日に間に合わなかったりなどの理由で、とりあえず交渉して利息分だけの支払いで済ませようとしてしまうこともあるかもしれません。これは、支払総額を一番増やしてしまう方法です

元金が減らないため利息の金額も減らず、元金が減らないということは利息も永遠になくならない、ということになるからです。借金があるときはいつでも、可能な限り収入を支出より増やすことで、ほんの少しずつでも元金を減らしていくことを目指しましょう。返済期間を長く設定することも、返済額を増やしてしまうことにつながります。

1年で返す場合のシミュレーション

一例を挙げてみましょう。20万円を金利17パーセント、かつ1年間で返済するケースと、それを3年で返済するケースです。1年で返済した場合、支払い額は以下のようになります。

・1回目(1ヶ月目) 返済額18,240円 元金分15,407円 利息分2,833円 返済後残高184,593円
・2回目 返済額18,240円 元金分15,625円 利息分2,615円 返済後残高168,968円
・3回目 返済額18,240円 元金分15,847円 利息分2,393円 返済後残高153,121円
・4回目 返済額18,240円 元金分16,071円 利息分2,169円 返済後残高137,050円
・5回目 返済額18,240円 元金分16,299円 利息分1,941円 返済後残高120,751円
・6回目 返済額18,240円 元金分16,530円 利息分1,710円 返済後残高104,221円
・7回目 返済額18,240円 元金分16,764円 利息分1,476円 返済後残高87,457円
・8回目 返済額18,240円 元金分17,002円 利息分1,238円 返済後残高70,455円
・9回目 返済額18,240円 元金分17,242円 利息分998円 返済後残高53,213円
・10回目 返済額18,240円 元金分17,487円 利息分753円 返済後残高35,726円
・11回目 返済額18,240円 元金分17,734円 利息分506円 返済後残高17,992円
・12回目 返済額18,246円 元金分17,992円 利息分254 返済後残高0円

この場合、返済総額は218,886円、よって支払利息総額は18,886円です。

3年で返す場合のシミュレーション

しかし、返済に3年もかかってしまった場合、支払い総額と詳細は以下のようになります。

・1回目 返済額7,130円 元金分4,297円 利息分2,833円 返済後残高195,703円
・2回目 返済額7,130円 元金分4,358円 利息分2,772円 返済後残高191,345円
・3回目 返済額7,130円 元金分4,420円 利息分2,710円 返済後残高186,925円
・4回目 返済額7,130円 元金分4,482円 利息分2,648円 返済後残高182,443円
(以下36回目(36ヶ月目)まで省略)
・36回目 返済額7,132円 元金分7,033円 利息分99円 返済後残高0円

毎月の返済額が7,130円となっているため、確かに月々の出費は減っています。利息の支払い分も増えている訳ではありません。しかし36回も支払いが続くため、支払い総額は256,682円、支払利息総額56,682円と、なんと3倍になっています。返済期間が長引けば長引くほど、支払う利息の金額も膨れ上がっていきます